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森喜朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長の謝罪会見を見て思うこと。

立春の翌日、春一番が吹いたようです。

朝のルーティーンを済ませ、東京に帰るために旅具を整えながらニュースやらワイドショーをテレビで見ていたら、スポーツ界は大変な事になっているらしい。
森善朗東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長が女性蔑視の発言で謝罪記者会見をする運びになったようです。

さっそく記者会見を拝見しました。
会見は、予想通り「居直り会見」「逆ギレ会見」と評されるような事態になってしまいました。
これでは「火に油」です。
世論は、一気に森解任論に傾いてしまいました。

森さんは、そもそも東京オリンピック招致の最初から先頭に立って実現に向かって走ってきた人です。
もちろん、内閣総理大臣はじめ各種大臣、日本体育協会会長、日本ラグビー協会会長など歴任。
2019ラグビーW杯の日本開催を招致、成功させたのも森さんの功績だと思います。

森さんは、早稲田大学ラグビー蹴球部のOBとしても有名です。
ただ、実際にはラグビー部にいたのは1年生の夏まで。厳しい練習についていけず、胃潰瘍になって途中退部されたようです。
森さんのお父様の茂喜氏は、石川県根上町の町長さんで、早稲田大学ラグビー部のOB。お父様は、かなりの選手だったらしく、町長になられてからも根上町に立派な芝生のグラウンドを2面作られています。そのグラウンドは、1985年の高校総体でサッカー競技の会場になり、私も取材に行ったことがあります。当時は、国立競技場でも冬になれば芝生がはげて土のグラウンドになってしまうような時代でした。そんな時に大きなスタンド付きの青々とした芝生のピッチを用意してくださいました。今でも北陸自動車道を走っているとすぐ横に見えるグラウンドです。このピッチは1991年の石川国体でも会場に供せられました。

そんなお父様の期待を背負って早稲田に進学した森さん。ラグビーを辞める時に「大学もやめるべきではないか」と悩み、当時のラグビー部長の大西鐡之佑氏に相談に行ったところ、
「大学はラグビーだけをやるところじゃない。他にやりたいことを探して卒業しなさい」と諭され、退学を押し止まったそうです。
その後、森さんは弁論部に進み、卒業後は産経新聞の関連会社で記者を務め、政治の道に進んでいきます。
ラグビー部退部後も、落第しそうな部員と教授を取り持ったり、若い頃からかなりのネゴシエーターだったようです。
その関係で、中途退部にもかかわらず早稲田大学ラグビー蹴球部OB会のメンバーに推薦され、会長まで勤められています。

学生時代、早稲田ラグビーの追っかけをしていた際、祝勝会か何かの取材に行ったおり、川本信正先生に紹介されて知己を得ていた川崎秀二さんから森さんを紹介されたことがあります。
多分、名刺を交換したのでしょう。後日、森さんから巻き紙のお礼状をいただいたことがあります。
当時、私はただの大学三年生の青二才。そんな私に和紙に筆で書かれた長文のお礼状を下された森さんの気遣いに大いに恐縮した記憶があります。
おそらく、森さんは名刺交換をした人には全員お礼状を送られているのでしょう。
そういう気遣いのできる国会議員は、そんなにいないと思います。
「森さんのためなら一肌脱ごう」と思う方は多いと思います。

もちろん、女性蔑視の発言はオリンピック精神に反するものだし、許されるものではありません。
潔く、会長の職を辞すのも致し方ないかもしれません。
ただ、森さんの20年間にわたる東京オリンピック招致への思い、7年間無報酬で組織委員会を引っ張ってきた情熱を鑑みると、
「最後までやり遂げたい」と思うのも人情。
難しい問題です。

一つ言えることは、森さんに意見出来る人が居なくなってしまったこと。
菅さんも小池さんも何も言えない。
中曽根さんあたりがご存命で「森くん、そろそろいいんじゃないかな」と一言言っていれば、案外簡単に身を引いたかもしれませんね。

いずれにせよ、このオリンピックは、安倍ちゃんが「アンダー・ザ・コントロール」とか「日本の7月はスポーツをやるには最適な季節」などと世界中に大嘘をついて引っ張ってきたオリンピックです。
森さんを組織委員会の会長にしちゃったのも功罪相半ば。
開催まで半年を切って、コロナの問題の他に難問が出てきたのは頭が痛いですね。

午後4時、名古屋発の東名高速バスで帰京しました。
緊急事態宣言が出ているにもかかわらずバスは満席。まあ、片道2400円のWiller Expressですからね。満席にならないと大赤字です(3時30分発の料金4300円のJRバスはガラガラでした)。
オンスケ21時55分にバスタ新宿着。

JR山手線、西武新宿線を乗り継ぎ東伏見に22時35分着。
今日の東京都の新規感染者は734人。1週間連続で1000人を割っていますが、58人増えました。愛知県は101人。なかなか100人を切れません。
帰宅して、夕食を摂り、早めに床についたスポーツ三昧でした。

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みねお

森会長の舌禍事件に対する先生のご感想、多くの人の目に触れていただきたい内容ですね。私も、六本木の廬山の前で早稲田ラグビー部の慰労会の出待ちをしていた際に、父と川﨑秀二(徳二さんではありませんよ(笑))さんが出てきて、ほどなく若かりし森さんが出てきたこと姿をはっきりと覚えています。森さんのラグビーへの愛情、そしてスポーツ全般への愛情は確かなものなのでしょうね。しかし、問題は森さん云々ではなく、日本スポーツ界の人材の底の薄さではないでしょうか。余人をもって代えがたい人、森さんがいなければ五輪開催もおぼつかない・・。本当にそうなのでしょうか。そうであるとすれば、日本のスポーツ界の将来にとって実に憂慮すべき事態と言わざるを得ません。確かに最近のオリンピアンを例にとっても、引退後はタレントやキャスターとして活躍される方が多いような気がします。
五輪の普及、スポーツの底辺拡大のために地道に活動をしている人たちが少ないのではないでしょうか。ま、中には政権に取り込まれている方々も少なくないようですが(笑)。
陸上の為末さんや女子柔道の山口香さんのような立ち位置は珍しいかもしれませんね。ご自身の意見もしっかり持っておられますし。
逆にJOCの会長として右往左往を余儀なくされている山下会長の姿を見ていると本当に残念に思います。
とにかく、森さんのこれまでの尽力は大いに認めるにしても、さすがに83歳になる方を先頭に立てればこのような舌禍事件は起こるべくして起きるのです。これは森さんの責任ではなく、日本スポーツ界全体の怠慢に伴う結果であると思っています。
これを教訓に日本スポーツ界組織全体の活性化と人材の育成を心から願わずにはいられません。
それにしても、アンダーコントロールから始まった東京五輪。
その後の経緯を見ていると、もはや言葉もありません。
by みねお (2021-02-10 18:20) 

スポーツ三昧

みねお様、コメントありがとうございます。
また、校正までしていただきありがとうございました。
早速訂正いたしました。
川崎徳二はプロ野球選手でした。
森さん、そろそろ辞任ですね。
後任は川淵三郎?
by スポーツ三昧 (2021-02-11 13:23) 

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