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全国高校総体サッカー競技準決勝戦を取材。

今年の全国高校総体サッカー、泣いても笑っても残り2日間3試合になりました。

ベスト4に残ったのは、昨年度もベスト4に残った九州勢2チーム、大津(熊本県)と佐賀東(佐賀県)。これは2年連続優勝に匹敵する快挙です。
そして毎回下馬評が高いものの全国優勝がない前橋育英(群馬県)、新興の翔英学園米子北(以下米子北)。ダークホース的な存在ですが、高校生らしい好チームです。

6時30分起床、朝食のリズムは変りませんが、だいぶ疲れが溜まって来たようです。昨夜の「なら燈花会」で歩き回ったせいかもしれません。ともかく午前中は自室で作業しておりました。
お昼は三条通りにある、ちょっと気になった台湾料理屋でランチ。午後1時30分出発で橿原神宮運動公苑陸上競技場へ。

今日も暑いですが、神域に入ると不思議な事に気持ちが引き締まります。ここは、日本のあまたあるスタジアムの中でも特殊な聖地の一つかと思います。
旧知の大津・平岡監督にご挨拶。
「ことしもベスト4まで来られました。不思議なことに前橋育英とは公式戦初対戦です。僕と山田さんと、どちらが運が強いか。お互いに良いチームを作って全国ではもなかなか優勝できませんからね」
大津の平岡監督は、現役時代に帝京高校で昭和57年度に鹿児島総体で優勝しています。対する前橋育英の山田監督も昭和52年度の岡山総体で島原商業の一員として頂点に立っています。恩師は古沼貞男と小嶺忠敏。ある意味、因縁対決でもあります。
前橋育英の先発は、GK志村(3)。DF木村(3)、代田(3)、小山(3)、田中(3)。MF三浦(3)、小島(2)のダブルボランチ、右翼が粕川(3)、左翼が中美(3)。FW皆川(3)、西澤(3)。中盤ボックスの4:4:2の布陣。中美、西澤の二人は日本高校選抜の一員として今春ヨーロッパに遠征、同じ釜の飯を食べた間柄です。
対する大津のスターティングラインアップは、GK藤嶋(3)。DF中村(3)、右近(3)、古賀(3)、車屋(3)。MF谷口(3)のボランチ、右翼が藤崎(3)、インナー右が松本(3)、インナー左が大塚(3)、左翼が澤田(3)。FW坂田(3)。大津独自の4:1:4:1の布陣です。

陳腐な表現ですが関係者が「事実上の決勝戦」といっていた一戦。意外な展開になりました。野球だったら「隅一」といわれる試合。そう1回の表に1点入っただけで試合は終わってしまう、そのうち同点ゴールなり追加点が入りそうなのに、ついには1点で勝敗が決まってしまう試合です。
前半4分、前橋育英は右サイドの木村がクロス、大外にいた西澤が思い切りよいダイレクトシュート。左45度の決して簡単なシュートではありませんでしたが、これが決まって前橋育英が先制。
その後も前橋育英は攻撃の手を緩めませんでした。
12分、三浦ー田中ー三浦とワンツーリターンで三浦がシュート、わずかに左に外れます。
13分、皆川がシュート、大津GK藤嶋がキャッチ。
26分、三浦の蹴ったコーナーキックをファーから皆川がシュート、大津DFがクリアします。
34分、左45度から中美がシュート、GK藤嶋がセーブします。
この間、大津も23分にMF大塚を岩崎(3)に交替。岩崎を左翼に、澤田をFWに上げ、谷口をワンボランチに。中盤ダイヤモンドの4:4:2にシフトチェンジ。
31分にはコンデションの上がらない坂田を魚野(3)に交替。
アデショナルタイムは、ほとんどなく(飲水タイムは約1分)木村博之レフェリーは前半終了の笛を吹きました。

後半、大津は再びシフトチェンジ。左サイドの車屋をボランチに上げ、岩崎をDFに。ダブルボランチの中盤ボックスの 4:4:2に。これで、攻守のバランスが良くなりました。反撃の開始です。
2分、谷口がバイタルエリアからシュート、左に外れます。
7分にはペナルティアークから中村がフリーキック、上に外れます。
9分には前橋育英・中美がシュート。左に外れます。
14分、澤田が左サイドをドリブルで駆け上がり、ワンフェイク入れてからクロス、松本が左に切れ込んでシュートを放ちますが、わすかに左に。
16分、粕川を上星に交替。22分にはMF三浦を湯川に交替。リフレッシュしていきます。
この後、前橋育英が左右からクロスを上げチャンスを掴みますが、大津GK藤嶋が好守を見せます。
29分、大津は右サイドを松本がドリブルで突破してクロス、最後は谷口がヘディングシュートを放ちますがゴール上に。
30分には前橋育英も小島がシュート、クロスバーの上へ。
32分、前橋育英はMF中美を細萱にお約束の交替。そして35分には途中交替出場のMF上星を交替する念の入れようでした。
ロスタイムに入っても大津の猛攻は続きます。左サイドから魚野のセンタリングを谷口がノーマークのチャンス。絶好の同点機でしたが、すこしポジショニングが冠り気味だったためヘディングシュートはクロスバーの上に。万事休すでした。
アデショナルタイム2分5秒、タイムアップの笛がなりました。最後までゴールが遠かった両チーム。開始4分のゴールが勝負の明暗を決めてしましました。敗れた大津・平岡監督は、
「1点が取れませんでした。でも冬に向けて、良い経験が出来たと思います。この時点でチームが完成してしまえば、僕らの仕事は無くなってしまいますからね。選手権に向けて、またやり直してきます」と語っていました。

高校総体は入場無料なのですが、第1試合は「銭の取れる」試合でした。観客もかなり集まり、夜間照明にも灯が入りました。
第2試合は佐賀東vs.米子北の対戦。
佐賀東のスタメンは、GK有馬(3)。DF迫(2)、上村(3)、前山(3)、松山(3)。MF古川(3)、江頭(3)のダブルボランチ、右翼が中野(2)、左が黒川。FW赤﨑、山田。ボランチの二人が縦位置にある4:1:1:2:2の布陣です。
対する米子北の先発は、GK真田(3)。DF庫谷(2)、山内(3)、昌子(2)、谷田(2)。MF林原(3)、大江(3)のダブルボランチ、右翼が道下(2)、左翼が藪田(2)。FW谷尾(2)、山本大稀(3)。中盤ボックスの4:4:2の布陣です。

陽が落ちてから湿度が上がり蒸し暑さが高まります。
17分、佐賀東が最初の得点機。U-18日本代表候補の赤﨑がシュート。米子北GK真田がセーブします。
22分、DFのクリアーボールがゴール前の米子北・谷尾の前に。谷尾は難なくゴール右隅に決めました。1-0。
25分、佐賀東の赤﨑がフリーキックを直接シュート。GK真田がハンブルしますが、なんとかセーブ。
そして29分、右から入ったクロスを赤﨑が背中をゴールに向けながら反転してシュート、ボールはクロスバーに当たりゴールインはしませんでしたが、「さすが赤﨑」の唸らせるシュートでした。

31分、佐賀東の蒲原監督が動きます。MF古川を中原(1)に交替します。
しかし、前半はアデショナルタイム10秒で篠原巧レフェリーのハーフタイムを告げる笛が鳴ります。

後半6分、佐賀東はFW山田を身長155cmながら俊足のスパーサブ一色をピッチに送ります。
米子北も7分、道下を川元(2)に交替。
11分には米子北がコーナーキックのチャンス、山本の蹴ったボールは混戦から谷尾に渡り谷尾がシュート。2点目のゴールとなりました。
その直後、右サイドの道下がクロス、谷尾がヘディングシュートしますが、佐賀東GK有馬がキャッチします。
14分、ようやく佐賀東の攻撃が真骨頂を見せました。右タッチライン際を中野がクロス、ニアに詰めた黒川がヘディングシュート、1-2と1点差に迫ります。
22分、米子北はMF藪田を五百川(3)に交替。25分にはFW山本が右肩を負傷、山本健大朗(2)に交替します。
23分、佐賀東は中央からチャンスを作り一色がシュートしますがGK真田がキャッチ。
31分には、黒川が蹴ったコーナーキックをファーの前山がフリーでヘディングシュート、佐賀東は同点機を逸します。
33分にも黒川のコーナーキックからチャンスを迎え上村が右に流し、最後は前山がシュートしますが、これも左に外れノーゴール。
そのまま2-1、アデショナルタイム2分7秒で試合は終了。米子北が鳥取県代表初の決勝進出チームとなりました。

これで前橋育英が勝っても、米子北が勝っても総体初優勝となります。決勝戦は8日同競技場で午後5時から行われます。決勝戦は35分ハーフ。70分間で勝負が着かない場合は、10分ハーフ20分間の延長が行われ、それでも勝敗が決まらない場合はPK方式で優勝チームが決められます。

勝負は時の運、とも言います。参加55チームは2チームに絞られました。果たして夏の王者は前橋育英か米子北か。興味は尽きません。

帰る途中でスタッフで食事をしホテルに帰りました。好勝負2試合にへとへと。入浴して11時前には床に就きました。
<了>
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