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我慢の3連休3日目、ラグビー第97回早慶定期戦をテレビで観戦。

体調は、ほぼ回復しましたが、今日も不要不急の外出は避け自宅で自粛しておりました。

11月23日は勤労感謝の日(戦前は「新嘗祭」の祝日でした)。
早慶ラグビー定期戦が行われる日でもあります。

「世界3大大学対抗戦(他にイギリスのオックスフォードvs.ケンブリッジのbレガッタ、アメリカのハーバードvs.エールのアメリカンフットボール)」とも言われる早慶戦は、1903年11月21日に開始された野球を鏑矢としています。すべてのスポーツで先進校だった慶應義塾に対して早稲田が挑戦状を送って始まった、という経緯があります。
当時の日本にはプロ野球もなく、早慶戦の野球は、日本中の注目を集める一大イベントでした。
ところが、そのあまり両校の応援団が白熱しすぎ、一触即発の事態を生みだしてしまったのです。
1906年秋、早慶戦の第1戦は早稲田で行われ勝った慶応の応援団が大隈重信邸の前で万歳三唱して帰りました。続いての第2戦は三田綱町で行われ、今度は早稲田が勝ち、福沢諭吉邸前で早稲田応援団が万歳三唱。このまま第3戦を行うと、どんな事件に発展するか分からない状況になりました。
早慶両校の関係者は、事態を収拾するため、第3戦を中止にし、「爾後、定期戦は行わない」と両校が声明を発表する事態になりました。
その後、明治、法政、立教と早稲田と慶応は試合を始め、リーグ戦が行われるようになりましたが、早慶戦だけは行われないという変則なリーグ戦が続きます。

1922年、ようやく早稲田大学ラグビー蹴球部が慶應義塾蹴球部(ラグビー部のこと。慶応のサッカー部は正式名称はソッカー部)に挑戦状を送り、すべてのスポーツで初めて早慶定期戦が復活します。当時、日本の大学でラグビーをやっていたのは、1899年創部の慶応のほか関西の同志社、三高(現・京都大学教養学部)しかなく、関東で試合をするためには慶応に挑戦状を送るしかなかったのです。
両校のマネージャーが細かい規定を決め(応援は拍手のみ等)、日程は気象庁に問い合わせて「もっとも晴れの日が多いのは11月23日」ということで、新嘗祭の日に試合を行うことになりました。
第1回は三田綱町で行われ、先進校の慶応が14-0で勝ちました。
この一戦をきっかけに、すべてのスポーツの早慶戦が復活しました。

関東大学ラグビーで現存する最古の定期戦。今回で97回を迎えます。早稲田69勝、慶応20勝、7引き分け。他に極東選手権、大学選手権での対戦が11回(早稲田の8勝1分2敗)ある早慶戦。

私個人も、1974年の第51回から2014年の第91回まで41年連続で現場で取材(1974年と75年、1983年〜87年は国立競技場、他は秩父宮ラグビー場)しました。
2015年からは残念ながらテレビ観戦になっています。ラグビーの仕事がなくなったことも大きい理由でしたが、帝京の大学選手権9連覇で、いささか大学ラグビーに失望したこともあります。帝京の9連覇は立派だと思いますが、一つのチームが勝ち続けるのは如何なものか、早慶両校など他の伝統校は何をしているんだ、という気分と、関東大学アイスホッケーがこの時期に佳境になるということもありアイスホイッケーの取材を優先したこともあります。

今年もコロナ禍のためにチケットは上限1万枚に抑えられ、手に入れるのは大変だったと聞きます。
知人から聞いたところによると、インターネットの予約発売が早稲田の他の試合中に始まり、試合を見ながらスマホを叩いた人が多かったそうです。2枚チケットを予約したら、違う列に2枚チケットが当てられたとか。昔からラグビー協会は、気の利かないことをするものです。
そんな話を聞き、秩父宮に行く気が失せてしまいました。スマホを持ち合わさない古くからのラグビーファンは、試合を見るのすら難しい状況です。昔は新宿のプレーガイドで切符も手に入りました。

さて、今期の関東大学対抗グループ、ここまで早稲田が全勝。慶応、明治、帝京が1敗で追うという状況です。慶応が今日早稲田に勝ち、帝京に勝てば優勝の目もある、トイう混戦です。注目の一戦でした。

慶応義塾大学蹴球部の先発は、FW竹田(慶応4)、原田(桐蔭学園3)、大山(慶応4)、相部(慶応4)、北村(慶応4)、今野(桐蔭学園2)、山本(慶応3)、高武(尾道2)。HB上村(国学院栃木4)、中楠(国学院久我山2)。TB佐々木(桐蔭学園2)、鬼木(修猷館2)、三木(京都成章4)、沖(尾道4)。FB山田(報徳学園1)。
対する早稲田大学ラ式蹴球部のスターティングラインアップは、FW久保(筑紫4)、富武(早大学院3)、小林(東福岡3)、大﨑(国学院久我山3)、下川(修猷館4)、相良(早稲田実2)、村田(京都成章1)、丸尾(早稲田実4)。HB小西(桐蔭学園2)、吉村(東福岡2)。TB古賀(東福岡4)、平井(修猷館4)、長田(東海大仰星3)、槇(国学院久我山2)。FB河瀬(東海大仰星3)。
午後2時7分、川原拓レフリーの笛で早稲田がキックオフ。試合が始まります。

早稲田、慶応義塾両チームが素晴らしいラグビーを展開してくれました。
両チームともタックルが決まり、セットピース(スクラム、ラインアウトなど)がしっかり整備されており、高いレベルのラグビーを見せてくれました。
両チームの得点の内容は早稲田が4トライ、2ゴール、1ぺナルティーゴール。慶応義塾が1トライ、3ペナルティーゴールでした。
慶応義塾の”魂のタックル”をかいくぐってインゴールにボールを持ち込んだ前半21分の吉村のトライと後半25分の河瀬のトライ。この二つのトライが勝負の明暗を分けました。慶応義塾が吉村と河瀬の個人技にタックルを外されて失点した10点が勝負の明暗を分けました。
前半33分の早稲田のトライは、FWとBKが一体となった揺さぶりからの右オープン、河瀬のライン参加、パスが乱れたミスムーブを生かした早稲田の槇のトライは圧巻でした。
また、後半18分のラインアウトからラック、モールを作り直して押し込んだ慶応義塾のトライも見事でした。慶応義塾の持ち味は十分に出せたと思います。
22-11という10点さの勝負は、まあ妥当な結果かと思われました。吉野と河瀬の突進にタックルを決めていれば11-11の同点ということです。
全般的に、タックルが決まりセットピースがしっかりしていればラグビーは盛り上がることがよくわかりました。
例年2万5000人の観客で満員になるスタジアムは、やや寂しかった。早くコロナが収束して、ぎっしり埋まったスタジアムで試合ができるようになることを、今更ながら感じた試合でした。

これで早稲田は全勝を守り、12月6日の早明戦に優勝を賭けました。どうなりますやら。
すでにチケットは完売とか。どうして国立競技場でやらないんでしょうか。
不思議です。
チケットが手に入らないんで、私はテレビ観戦になると思います。

そんなスポーツ三昧でした。
<了>

[結果]
早稲田大学ラグビー蹴球部 22-11 慶應義塾蹴球部(前半12-6)

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