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EFFA E-1サッカー選手権 第1日目。日本代表vs.中国代表戦を取材。

韓国の釜山のホテルで朝を迎えました。
ホテルの暖房の利きが悪くて少し寒かったのですが、久ぶりによく眠られたような気がします。

釜山時間午前7時(日本と時差はありません)、起床。
朝のルーティーンだけ済ませ(朝食はヨーグルトだけでしたが)、午前中はYouTubeを見て過ごしました。10泊もするし特に用事がなかったからです。
たまたま「永遠に咲け なでしこジャパン」という番組を見ました。日本女子代表が誕生してからドイツのワールドカップで優勝するまでのドキュメントを3回に分けて特集したものですが、なかなか見ごたえがありました。
特に注目したのは、日本サッカー協会が女子サッカーを冷遇してきたのに、2002年の釜山アジア競技大会で日本女子代表のひたむきな戦いぶりを見た川口キャプテンが、
「女子サッカーも強化しなければ彼女らが報われない」と思い、本格的に強化に向かったという話です。それから9年後になでしこジャパンは世界一になりました。その時もドイツで感涙にむせびました。
今、わたしは釜山に来ています。なにか感慨深いものがありました。

お昼過ぎ、お腹が空いたのでホテルを出発。
南浦(ナンポ)に向かいます。むかしから行きつけのソルロンタン(牛骨スープ)の老舗店があり、そこのスープを飲むためです。
ところが、超近代的になった南浦の街から、その老舗店は消えていました。
たしかに原宿か渋谷みたいに変貌した南浦の街に老舗店は相応しくないかもしれません。が、寂しい。
しかたなく、今日の試合会場がある九徳スタジアムに向かいます。地下鉄1号線の東大新駅から坂道を登っていくと突き当りにある競技場です。途中、ラーメン屋さんで「ビーフ・ヌードル」(ソルロンタンにラーメンが入っているような感じ)を食べ、昼食としました。
この競技場、最初に来たのは1983年の日韓ジュニア交流競技会でのこと。その後は1997年の東アジア競技会、2002年の釜山アジア競技会などで来ています。前はスタジアムの横にあった体育館(柔道やバスケットボールを取材しました)が無くなって駐車場になっていました。今は陸上競技場と野球場だけです。2002年の釜山アジア競技大会のおり新設されたアシアド競技場周辺にたくさんのスポーツ施設が出来たので古い運動場は無くなる運命なのかもしれません。

今日の最大のミッションは取材用ADカードの修得です。、
恐る恐るメディアディスクに行くと顔写真の無い私のADカードが用意されていました。ああ、なんとか取材できそうです。日本サッカー協会広報様、ありがとうございました。
競技場のスペック自体は、ほとんど40年前と変わっていませんでした。メディアルームは狭いし、記者席も少ない。無駄に広いロイヤルボックス。典型的な古い韓国の競技です。
でも、取材させてもらえるだけで幸せです。思えば国際試合のADカードなんてジャカルタアジア競技大会以来かも。

第1試合は、女子の開幕戦。韓国女子vs.中国女子戦。両国国歌吹奏がある由緒正しき国際試合。
韓国女子、強くなりました。中国と互角の戦い。何度もチャンスがありましたが、得点できません。
結果はスコアレスドロー。試合後、韓国のコリン・ベル監督とキャプテンのキム・ヘリがハグしていたので、韓国としては目的達成なのでしょう。

第2試合は男子開幕戦、日本代表vs.中国代表。
日本代表のスターティングラインアップは、GK中村(柏U-18)。DF畠中(東京ヴェルディユース)、三浦(大阪桐蔭)、佐々木(城山)。MF右翼が橋岡(浦和ユース)、左翼が遠藤(横浜FMユース)、ボランチが井手口(ガンバ大阪ユース)と橋本(FC東京U-18)、右に鈴木(桐生第一)が張り出し左に森島(四日市中央工)が張り出す状況。FWワントップ気味に上田(鹿島学園)。3:4:2:1の布陣です。(カッコ内)はユース年代の所属先。高体連出身者が5人、クラブ出身者が6人です。
対する中国は4:2:3:1の布陣です。いろいろと調べてみましたが漢字名が分かりません(試合後YouTubeで見たフジテレビの映像では漢字名が出ていましたが、小さくて判別不能)。GKリウ。DFミン、メイ、リー、ジャン。MFジン、ワンのダブルボランチ、右翼がタン、左翼がファン、トップ下がチャン。FWドンという布陣です。ピッチに出てきた中国選手を見たとき、ずいぶん体格が大きくてびっくりしました。身長も横幅も日本人選手より一回りでかい。
午後7時31分、日本のキックオフで試合開始。

Jリーグが終了してから4日です。Jリーグアウォードが行われた日に出発した日本代表。初召集選手が11人、U-22年代の選手が14人です。あまり大きなことは期待できません。
一方の中国。直前に監督がかっての名選手リー・ティエに変わりました。42歳の若さです。事前合宿も3週間積んできたと聞きました。チームとして完成しています。体格も良くて手ごわそう。
それでも日本代表、ポゼッションしつつ試合の主導権を握ります。
20分、左サイドのFKからファーでヘディングシュート、右ポストに阻まれます。
21分、DFジャンが橋岡に対してハイキック。問題になったシーンです。たしかにジャーンは来たボールに足を出していたのですが、明らかにハイキック。まあ、橋岡の足をバタバタさせる苦悶の状態も少しオーバーかとも思ったのですが、結果的にはイエローカードで済んで中国はラッキーでした。
29分、ようやくコンビネーションが出てきた日本代表。見事な先制ゴールを演出しました。森島が左に抜けると見せてカットイン。中央を突破して右の鈴木にスルーパス。鈴木は落ち着いてゴールにボールを流し込みました。鈴木武蔵、記念すべき代表初ゴール。
45分、中国は左サイドのジャンが思い切ってロングシュート。僅かに右に外れましたが、日本GK中村の震撼寒からせるシュートでした。
アディショナルタイム1分10秒、ウズベキスタンのタンクジェフ主審がハーフタイムを宣します。

ハーフタイムにメディアセンターに戻るとお弁当が来ていました。韓国の国際大会(国内大会の取材には来たことが無いので分かりませんが)では、必ず報道関係者にお弁当が振る舞われます。日本では無いおもてなしの慣習です(バブルの頃、高校サッカーで日本テレビさんから報道陣に対してお弁当が振る舞われたことがありましたが)。
これで大会中、飢え死にせずに済みそうです。

後半も両チームとも活発に攻め合いました。両チーム交代はありません。
9分、中国はこぼれ球を右サイドからミンがシュート、GK中村がセーブします。
中国は15分、MFファンをカオに交代。22分にはボランチのワンをリー・ハンに、25分にはDFリー・アンをユーに。早目に3枚の交代カードを切り局面打開を見出そうとします。
25分、日本はコーナーキックのチャンスに井手口のキックにファーで待ち構えた三浦がヘディングシュート。決勝点となる2点目をゲットしました。
日本の森保監督も動きました。27分、鈴木を田川(鳥栖U-18)に交代。
37分、中国はコーナーキックのチャンス。チャンの蹴ったボールをファーの選手に折り返させニアのタンがシュートしますが左に外れます。中国のシュートの精度がやや低いのに救われた日本でした。
40分、森保監督が2枚目のカードを引きます。MF橋岡を相馬(三菱養和SCユース)に交代。
最後まで諦めず攻める中国の努力が報いられたのが45分でした。右からのクロスを受けたドンのシュートが右ポストに当たってゴールイン。1点を返します。試合後の記者会見で森保監督は、
「もう1枚交代カードを使おうと思っていたが、あの1点で使えなくなった」と語っていました。
アディショナルタイムは「3分」表示。45分+4分、バイタルからの中国シュートを中村がキャッチしたところでタイムアップの笛が鳴りました。48分34秒でした。

こうした国際大会は、初戦の入りが難しいものですが、しっかりと2点先行した日本代表、勝ち切ったのは立派でした。まだまだ選手の経験も浅く、3バックの布陣も盤石ではありませんが、優勝に向かって好スタートを切ったと言えるのではないでしょうか。
試合後の記者会見まで取材し、地下鉄で帰ってきました。帰りは下り坂。楽勝でした。
ホテルに、なんとか11時までに着きました。
日本の快勝に缶ビールで祝杯を挙げたスポーツ三昧でした。
<了>

[結果]
韓国女子代表 0-0 中国女子代表(前半0-0)
日本代表 2-1 中国代表(前半1-0)
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